『コトレシピ』という雑誌の撮影で母と5月中旬からイタリアに行ってきました。
この雑誌は60歳の女性をターゲットにしたもので、仕事も子育ても終わった、さて、これから自分のために人生を楽しもう、というテーマのとても興味深い雑誌です。
丁度編集長が妹の友人で、イタリア撮影用に本物の親子を捜していて、運良く抜擢されました。だから今回は母が主役。
ローマ、フィレンツェ、ベニスを巡ってきました。
ローマで母、取材班と合流しました。取材班は数日前から一足先に来ていて、私と母が同じ日に到着。私の方が数時間早く着いたのでプールで泳いだ後近所のVia Venetoをお散歩。数日前に観たDolce Vitaが甦ってきました。そう思いながら歩くとやっぱりフェリーニがここで撮影した、というサインが。初めましての自己紹介のあと、早速現地コーディネイターさんが予約してくれたレストランへ。
ローマだからシーフードはあまり期待していなかったにもかかわらず、前菜から甘エビ、牡蠣、カルパッチョと並び、その美味しい事。そのレストランの粋な計らいなのか、甘エビにはお醤油も添えてもらって、スタッフ一同大感激。スタッフは既に現地入りして3日間くらいたっていたところだったので、このお醤油がとても嬉しそうでした。次回はわさびも持参で。
締めのパスタは火を通していないエビのパスタ。まったりとしたエビのみそが天国の味でした。
スペイン広場近くのホテルにて。何もかもが素敵。
実はまだ子供が産まれる前、母とイタリアを旅したことがありました。その時はローマとベニスに行って、今回のローマは二度目。前回行って好きだったかフェグレコにまた戻ってきました。ここはParisのDeux Magotsを思われる、でももっと古い由緒あるカフェ。あまりの高さに観光客しかいないけれど、でも一度はゆっくりする価値のある場所です。こういう歴史を感じられるカフェって大好き。
前回行けなかったコロッセオ。一日丸々お休みをもらったので、今回は編集長のおすすめもあり、並ぶのを覚悟で行ってみました。あまりの重厚な存在感に圧倒されました。ローマ帝国時代の繁栄と奴隷制度のむごたらしさと共に人間の恐ろしさも感じた場所でした。それにしても西暦80年に既にこんな技術を持ち合わせていたなんて。。。
Vespaのお店を取材してそのままそこの社長さんと次の撮影場所までドライブ。ローマの街が身近になった瞬間でした。
パンテオンの近くの一番好きだった教会Santa Maria 青が印象的な女性らしい教会です。
ブラブラしていたら目に留まったお惣菜屋さん。お店ごと買い占めたいくらいでした。
おみやげ用にドライポルチーニをいくつか買いました。
そしてフィレンツェへ電車で移動。
ローマの男性的な力強さと比べてここは断然女性的な街です。
川のせいかどことなくParisにいる感じ ちょっと懐かしい。
フィレンツェで最も楽しみにしていたSanta Maria Novella 訪問。
ここの石けんやポプリは愛用していて、お土産もここで買おうと決めていました。
スタッフの方が普段見られない場所まで案内してくださって、とても今日見深く見学しました。
海外ではなかなか取り扱いのないハーブを調合した薬まで。元々は薬局ですものね。
女性には見逃せない優しいサプリが揃っていました。
昔そのままの工房
インタビューの後に社長さんからプレゼント。
ちなみにここの社長さんは大の親日家で、フィレンツェと京都(姉妹都市)の重要な文化交流のキーパーソンでもあるのです。バイクに乗って日焼けした活力あふれる人でした。
こういう方が社長だからこのブランドも再び開花したのかもしれませんね。
このポプリと石けんの香りを嗅ぐ度にフィレンツェを思い出します。
フェラガモの経営するリストランテ。オリジナルのFashionイラストや写真が飾られています。フェラガモだけでなくグッチやシャネル、YSLの写真もありました。ワクワク。
川沿いの絶好のロケーションにこんなにロマンティックなリストランテ、そして何よりも美味しい食事。女性シェフがシーフードをメインにコースで出して頂きました。前菜はなんと3つのホタテが3種類の調理法で。生、蒸し、揚げ物ででてきました。イタリアのコース料理の量は半端ないですね。でも美味しすぎて残せない。
フィレンツェ郊外にあるVilla Micheleに宿泊。元々修道院だった物を改装して豪華ホテルに。趣のある、センスのいいホテルでした。
部屋からの眺め。
フィレンツェが一望できます。
驚きの朝食ビュッフェ
もう一度ゆっくりと行きたい場所です。
コーヒーもこんなに可愛い。
Santa Marina Novella教会
母が以前から行きたがっていたUffizi美術館。メディチ家の豪華のコレクションがメディチ家の邸宅にところ狭しと飾られています。これが邸宅だなんて。。。圧巻。
教科書で見たことのある絵がごっそりありました。まさにお宝。
やたら美味しかったズッキーニのサラダ。
パスタの用に薄くスライスしてそれにルッコラとオリーブオイル、パルメザンが添えてあるだけなのになんでこんなに美味しいの?ってくらい美味しかった一品です。
大好きなポルチーニのてんこ盛りクロスティーニ
で、その後ドッカーンとT Bone Steak.これで2人前です。信じられない。
フィレンツェ3日目は個性的なHotel Cellaiに宿泊。
代々家族経営されている今では珍しくなってしまったホテルです。
ご主人がインテリアコーディネイターもされているらしく、コーナーに全て気を配ってある、素敵なホテルでした。
朝食のセッティングも素敵でした。ブティックみたい。
ホテル近くの市場に寄ってチーズを真空パックしてもらい、電車の中でつまむミニトマトを買ったりしました。ベニスに移動です。
そしていよいよ最終地、ベニス。
この日は夕方から雨が降ると予報されていたので、どうしても撮りたかったゴンドラのシーンを収めるために乗り場に急ぎます。
編集長はどうしてもイケメンのゴンドリアンを見つけたいと言っていたのですが、見渡す限り、そんな人は皆無でお腹の出たおじさんゴンドリアンばかり。。。
そんな時いきなりコーディナイターさんが『いた!』と走り出し、みんなで付いていくとモデル並のルックスの奇跡のようなゴンドリアンが一人いたんです。
で、カッコいい彼にゴンドラを漕いでもらい、うっとりと運河を巡りました。
この写真はみごと表紙に。母と私、なんだか嬉しそう(笑)
巨大ブライスが!Bottega Venetaで。
どこに行っても絵画のような風景が広がっています。
イタリアの教会には今のインテリアやモードのヒントがたくさん隠されていました。
床の模様はまるでAstierのノートの柄の用。黒の使い方が素敵。
休憩ランチ。旅先で美味しそうな予感がするお店に入ると大抵当たります。
ここも美味しい!とぴーんときて入ったお店。
愛想のないご主人と愛嬌たっぷりのマダムが経営するカジュアルレストラン。近所の親子も食べにきていて、みんな常連さん。くも甲斐のパスタとエビのトマトソースのニョッキが美味しかった。
展望台からのベニスの景色。ここまで街が統一されているなんて。
今回のベニスでの私の使命はかつてここで出会ったミケーレという男性を見つけ出す事でした。前回母と来た時に一件センスのいいアンティーク屋さんがあり、そこで働いていたカッコいい男性に私がどこか美味しいおすすめのレストランはありますか?と聞いたところ、彼が観光客は絶対知らないようなベニス人が通うレストランに案内してくれて、それがきっかけで仲良くなった人です。彼がベニスを案内してくれれば雑誌的にももっと面白くなるし、という意向だったのです。だけど彼とはもう10年くらい連絡を取り合ってないし、どうやって見つけ出せばいいのかも分からないまま、街を歩いていたら一件目に止まったお店がありました。そこはかつてのミケーレのお店を連想させるセンスのいいベネチアンアンティークが揃っていて、ご主人はフランス語も話せたので、ミケーレという男性を捜しているのですが、と聞いてみたのです。残念なことにミケーレなんてマイケルと同じくらいよくある名前だし、やはりそれだけの手がかりでは見つかりませんでした。
でもこのお店がとっても素敵で、しかも品のいいマダムもいて、すっかり気に入ってここも取材させて頂く事になったのです。
(イケメンは既にゴンドリアンで写真に収めたし)
Muranoで作られた60年代の手描きのグラス。
お店の中庭。ここで採れたぶどうから作ったワインをご馳走になりました。
なんだかずっといたかったなあ。
スタッフの皆さんも本当にいい人ばかりで、編集長をはじめ、カメラマン、コーディネイターさんとまるで昔からの友人のように毎日たくさん笑って食べて、飲んで、そして仕事して、夢のような10日間でした。
そして10日間もずっと母と一緒にいる事など最近はあまりなかったので、昔に戻ったような気分で、自分が母としての日常ではなく娘としてのワクワク感もありました。
『コトレシピ』は8月5日に発売です。
訪れたレストラン等、宿泊したホテルなど本気でおすすめですので、是非御覧下さい。
最後の日に母と『また一緒に来ようね』と約束しました。
是非実現したい約束です。