2015年9月17日木曜日

平和への願い


9月17日に安保法案が強制可決されたというニュースを聞いて、ショックを受けました。これまでの日本ではなかった路上デモや、FB等からたくさんの反対の声が政府に届いてないわけはないのに、それを無視して可決された。

私は広島の原爆ドームからは徒歩5分の場所で生まれ、育ちました。

広島では平和教育という特別のカリキュラムが組まれ、子供達は夏の登校日に毎年戦争体験者や被爆者から数多くの酷いお話を聞いてきました。涙ながらに話しをしてくださる人たちは1945年に起こった忘れられない体験を、きっと思い出したくもないのに、次世代の子供たちのために一生懸命話してくれました。戦争無体験で食料にも困ったことのない私たちはそれを”別世界”のこととして聞いていたかもしれません。でも自分の祖父母と同じ世代であるその人たちの話は自分たちが生まれた70年代のたったの30年前に起こったことで、実際に広島に住んでいると毎日目にする原爆ドームから戦争の恐ろしさが嫌でも感じられてくるのでした。

このようなカリキュラムは広島市教育委員会が行ってくれていたもので、その上には広島の政治団体があります。そしてその上には国会という日本の政府がありました。
みんなこのような平和教育を良しと思っていたのです。そして今でもそれは変わらないと信じています。多くの国民が二度と戦争を体験したくないし、平和教育を受けた私たちは今親になり、守っていかなければならない次の世代があります。

それなのに今になって国民から選ばれた政治家によってこの平和が壊されようとしています。安保法案は徴兵制ではないと言っても、このような状態で一体誰が自衛隊への入隊を希望するのでしょうか?今私が住んでいるアメリカでは『自衛隊に入りましょう』というポスターが街の至る所でみられます。自衛隊に入隊することによってそのあとの高額な大学費用がカバーされたり、専門の医療施設などもあるようですが、実際に自衛隊に入隊し、行きたくもない戦争に生かされて殺されはしなくとも人を殺したり、目の前で人が殺される光景を見た人たちは決してその光景を忘れることができず、命は助かったとしても残りの人生をうつ病と戦って生きていくことにもなりかねません。私はそういう人にたくさん出会ってきました。

戦争を体験していない日本の政治家が『国のため』と言いながら自分たちの未来を担う若者を戦争に駆り出していく。決して自分たちは現地に行って戦うこともしないし、彼らの子供や孫はきっと自衛隊に入ってそこに行くこともないのでしょう。彼らは守られた立場だから。

自分にも子供が生まれて、地球全体の環境を考えるようになり、今の地球の状態をみると戦争なんてしている場合ではない。それよりも今の日本は地球を滅させている原発についてもっと対処するべきだし、国会はそのことについてもっと話し合うべきだと思うのです。地球が滅びてしまうと元もこうもないのに。アメリカ、ロシア、中国、ヨーロッパだって、国の利益よりも地球をみんなで守っていくことが一番大切なのに。

自分の体に命を授かり、約9ヶ月間の妊婦生活を得てやっと生まれた可愛い子供達。
妊娠することにとても時間のかかる人もたくさんいるし、妊婦の間だってつわりなどで大変な思いをしながらやっとこの世に生まれてくる命。奇跡の塊のような子供の命を親の私たちは命がけで守っています。
赤ちゃんの時は眠いのを我慢して夜泣きのたびに起きてミルクをあげたり、毎日ドキドキハラハラしながら子供と一緒に成長してきた私たち。自分の子供だけでなく、姪や甥、友達の子供たち、近所の子供達、彼らは私たちの希望であり、愛おしくてたまらない存在なのです。そんなかけがえのない命を国のためだからといって差し出すことが出来るでしょうか?私にはできません。

物事を大きな物差しで計るのではなく、それを自分に置き換えて、今ある自分たちの平和と安らぎが壊されたらどうなるのだろうと、すごくシンプルに考えたらこんな法案は可決されてはならないと思うのだけれも。この法案に賛成した政治家一人一人に個人的な意見を聞いてみたい。



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